散髪の話
僕はいつも
パーマは美容院
カットは千円カットにしている
今回は
僕がこよなくあ愛する
千円カット店の話
そこは
いろんな美容師?たちが
日替わりでやっているお店
年齢層は高く
下は70
上は80
といったところ
本日は
75歳男性
最近までカツラを被っていたが
心機一転したのか
坊主にしていた
実際にその方が
味があって似合っていたので
美容師?をやってらっしゃる方としては
ベストな選択だったと思う
いつも少し刈り上げて
後ろ〜サイドをメインにカットしていただている
そのお方の口癖として
「どうもすみませんね〜」
「これはこれはご苦労様です」
だ
こちらが一言発するたびに
この2文が必ず返ってくる
まるで自分が神様になった気分で
言葉を発することが
尊いかのように
お客様への感謝がすごい
今回は
ありとあらゆるバリカンをしようしてきた
3種類のバリカンの本体
6種類のバリカンの替刃
そのどれもが切れ味が悪く
切られている感覚がまるでない
何回か耳をバリカンで
なぞられたときは
下唇を噛み締めている自分が
鏡に写っていた
店員:「これはパーマですか?」
僕:「はい、3ヶ月前くらいにかけました」
店員:「それはそれはご苦労様です」
僕:「・・・」
店員「じゃあ髪を前回切られたのは1週間前ですか?」
ここにどうゆう方程式があったのかは不明だが
僕:「いえ、3ヶ月前です」
店員:「それはそれはご苦労様です」
話しているようで
話せていないこの空間は
ファンタジーのような
時間を提供してくれる
散髪も終わり
仕上げにかかったのか
美容師?はおもむろに
くしを持ち始めた
まずはカットした部分にくしを通していく
そこまではわかる
さっきパーマといった部分にくしを通し始め
仕上がったときには
よくわからない分け目の
センターパートにされていた
僕:「ありがとうございました」
店員:「今日は後ろ髪だけだから無料でいいですよ」
僕:「いやいやそれはダメです、ちゃんと受け取ってください」
店員:「じゃあ・・・」
600円をくれた
どこに6:4を見出したのか
わからなかったが
僕はありがたく財布にしまい
「また、きます」
と頭を下げた