イタル サトウ

できるだけ毎日投稿。。。

10代の頃の馬鹿な話 〜1つのエロビデオとともに〜

中学生というのは

実に素直でフットワークの軽い年代である

 

特に男子なんかは勉強に追われることなく

部活が終わっても

その有り余る体力で友達と遊び続ける

 

そんな僕は

部活終わりに親友に

いいものを見つけたから

このあとうちに遊びに来ないか?

 

と誘われるままその親友のもとへ

遊びに行った

 

時々2人で遊ぶことはあったが

何やら公にしたくないような

雰囲気を出していたので

 

何かあったのかと心配になりながら

自転車で向かったことを覚えている

 

家につき

親友が出迎えてくれて

2階の自室まで無言のまま

辿り着き

部屋に入り

机の上に乗っていたものにこう書かれていた

 

 

 

”巨乳奴隷”

 

 

そんなパワーワードを今まで

みたことも聞いたこともない10代の僕は

この時の感情を一切覚えていないくらい

衝撃的な一文だった

 

その親友はどうやら

父親の部屋からこっそり取り出してきたらしく

みたい気持ちはあるが

1人で見れないとのことであり

僕を呼び出したのだった

 

 

まだ分厚いテレビの時代

ビデオデッキがなくても

ビデオと一体型のテレビを

持っていた親友の部屋は

とても先進的で

僕らにとっては格好の溜まり場だった

 

そこからというもの

噂は早いもので

そのビデオを入手したということが

学年の男子に広まり

そのビデオは僕らに女性と性の幅広さを

教えてくれた青春の教科書となった

 

俗にいう

擦り切れるくらいみたという言葉が

ぴったりくらいに僕らの学年の男子は

暇さえあればそのビデオを見ていた

 

 

そんな馬鹿みたいな中学時代を過ごし

高校生になる前の春休み

最後にみんなで鑑賞しておこうと

計画を立てていた

そんなある日

親友から一通のメールが届いた

 

 

”やばい、急いできてくれ”

 

 

このメールの後にいくら返信しても

メールは返ってこず

まだ肌寒い春の日

全速力でその親友の家まで

自転車を漕いだ

 

家の前に親友が肩を落として待っていた

待っていたというより

家の外に追い出されていたという

表現があっていたように記憶している

 

近づくと

ビデオテープのテープの部分が地面にビリビリに出されていた

そのテープを迷路のように辿り

そのたどり着いた先に

粉々になったビデオがあった

 

 

状況を把握できない僕だったが

冷静になり

その粉々のビデオテープを見て

その粉々になった中から

パズルのような言葉達を紡いでいくと

一つの言葉になった

 

”巨乳奴隷”

 

どうやら親友は同居している祖父にエロビデオが見つかり

その趣味思考を疑ったのか

大激怒したらしく

激しく怒鳴られ

そのビデオは目の前で激しくハンマーで粉々にされたとのことだった

 

まだ桜が咲き始める前の春

僕らの青春を彩った

エロビデオ”巨乳奴隷”は

桜のように地面に散りばめられたのだった

 

 

PS

でもこの事件の本当の被害者は

知らず知らずのうちにエロビデオを取られ

知らず知らずのうちに粉々にされていた

その事実を知らないままの

親友の父親なのである